CASE 1 : Engineer
エンジニア編仕様変更!
エンジニアはゲーム作りの根幹を支えるクリエイターだ。
そんなエンジニアなら、誰もが耳にする言葉がある。
「あ、その仕様、変更になりました」
仕様変更に伴い、頼まれていた作業がまったく別のものになった。
エンジニアAは再び新たなプログラムを組み直す。
もっと早くに言ってくれ、と思わないと言えば嘘になる。
だが、幸いなことに工数には余裕がある。
仕様変更でゲームが面白くなるのなら、その怒りも飲み込めるというものだ。
度重なる仕様変更!?
依頼されていた作業が終わりかけた時に、エンジニアAは声をディレクターに声をかけられた。
「すいません! また仕様変更になりました!」
「ええっ!?」
どうやら、開発ミーティングで流行っている新要素を取り込むよう要請があったようだ。
その結果として、仕様変更ということになったらしい。
だが、ゲーム業界ではよくあること。
エンジニアAはため息を飲み込み、作業を引き受けた。
いい加減にしろ!
度重なる仕様変更のなかで、エンジニアAは、考えていた。
だいたい俺はオリジナリティのあるゲームを作りたいのだ。
流行を追うだけの人真似ばかり量産して、なんの意味がある?
我慢の限界が近かったエンジニアAに、ディレクターが声をかけてきた。
「あの~、すいません。仕様が変更になりました」
エンジニアAは静かに深呼吸をし、新たな仕様書を確認した。
ダメだ、これ。
どっかで見たことある。
「もっとオリジナリティのあるもの作りましょうよ!」
その時、仕様は動いた
思わず口に出してしまっていた。 空気が悪くなるかと思った瞬間、ディレクターが口を開く。
「Aさん、なにかアイデアあるんですか?」
その問いかけにエンジニアAは、自分のアイデアを口頭で説明した。
「それ、面白いっすね!いただいていいですかwww」
「お、おう……」
ディレクターはその日のうちに、エンジニアAのアイデアを仕様書にまとめて、やってきた。
「Aさんのアイデア、上の承認はもらってます。反応よかったので、このまま行きましょう!」
そして……
その後、大きな仕様変更はなく、ゲームは無事リリースされた。
ネットでの評判も上々なようだ。
「Aさん、今回はすいませんでした。これからも、よろしくお願いします」
飲み会の席で、ディレクターに声をかけられた。
「俺も失礼なこと言って、すいませんでした」
開発は終わった。
だが、運営はこれからだ。
「それで、俺なりの改善案もあるんですけど……」
「お、いいですねwww聞かせてください!」